Hardness tester iso standard methods

硬さ試験

硬度試験の世界を探求し、金属や材料の硬度試験の原則について学び、業界標準、理論的背景、4つの硬度試験方法、および実践的な適用のヒントを学びます。

硬度試験の専門家であれ、初心者であれ、役立つリソースが見つかります。ポスターやアプリケーションノートの無料ダウンロード、ウェビナーへのアクセスなど、試験および材料分析のニーズをサポートします。

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硬さ試験はどのように定義されていますか?

硬さ試験のアプリケーションは、強度、延性、耐摩耗性などの材料の特性を評価することができるため、材料および材料の処理が適切であったかを判断する手がかりとなります。

硬さ試験は、「他のより硬い材料の押し込みによる恒久的な変形に対して、材料が呈する抵抗を判断するための試験」として定義されています。しかし、硬さは、材料の基本特性ではありません。したがって、硬さ試験の結果は、常に以下に関連する定量値で評価します。
  • 圧子への負荷
  • 特定の負荷時間と特定の保持時間
  • 特定の圧子形状

硬さ試験とはどのような仕組みですか?

通常、硬さ試験は、特定の大きさの物体(庄子)を試料の表面に当てて試験力をかけます。硬さは、その庄子が押し込まれる深さを測定するか、庄子が残したくぼみの大きさを測定して決まります。
  • 圧子の押し込み深さを測定する硬さ試験:ロックウェル、押込試験、鋼球押込硬さ
  • 庄子が残したくぼみの大きさを測定する硬さ試験:ビッカース、ヌープ、ブリネル

適切な硬度試験方法を選択する

試験方法の選択方法

硬さ試験は、試験対象となる材料の微細構造(均質など)、材料の種類、部材の大きさおよびその状態を考慮して選択します。

すべての硬さ試験において(構造の違いを見つける検査でない限り)、試料全体と同じ微細構造を持った部分に圧痕を打って試験する必要があります。したがって、ある微細構造が非常に粗く不均質な場合、均質な材料範囲より大きなくぼみが必要です。

硬さ試験は大きく4種類に分類されています。それぞれに異なる要件とメリットがあります。それぞれの試験に異なる基準が定められ、硬さ試験の手順および適応方法が詳しく説明されています。

硬さ試験の方法を選択する際には、以下を考慮することが重要です。
  • 硬さ試験対象材料の種類
  • 指定の準拠規格があるか
  • 材料のおおよその硬さ
  • 材料の同質性/異質性
  • 試料の大きさ
  • 試験されるサンプル数

最も一般的な4つの押込硬さ試験

ロックウェル

ロックウェル硬さ試験

ロックウェルは、主に金属材料を使用する生産現場向けに開発された、測定値を直接読み取る高速硬さ試験方法です。ロックウェル硬さ(HR)は、圧子を既定の試験力で押し込み、その侵入量を検出することで算出されます。

  • 一般的に大型の試料形状に使用
  • 「クイックテスト」は主に金属材料に使用
  • ジョミニー試験(一端焼入試験)(HRC)など高度な試験にも使用可能

Hardness testing method Vickers HV

ビッカース硬さ試験

ビッカースは、金属材料を含むあらゆる硬い材料に使用される硬さ試験方法です。ビッカース硬さ(HV)は、既定の試験力でひし形のダイヤモンド圧子を試料材料に押し込み、残される圧痕の対角線長さを測定することで算出されます。圧痕の対角線の長さは光学的に読み取られ、表または公式を使用して硬さを判断します。

  • 金属材料を含むあらゆる硬い材料で使用される硬さ試験方法
  • 幅広いアプリケーションに対応
  • 溶接の硬さ試験のサブグループにも対応

Hardness testing method Knoop HK

ヌープ硬さ試験

ヌープ(HK)はマイクロ硬さ範囲におけるビッカース試験の代替となる試験です。薄いワークや脆い材料に対応が可能な試験です。圧子には非対称なピラミッド形のダイヤモンドを使用し、圧子の対角の長さを光学測定機で測定して算出されます。

  • セラミックなど、硬い脆性材料の試験に使用します。
  • 被膜などの小さく伸長された領域に適しています。

Hardness testing method Brinell HB

ブリネル硬さ試験

ブリネル硬さ試験は、粗いまたは不均質な粒子表面を持つ、大きなサンプルに対して使用されます。ブリネル硬さ試験(HBW)の庄子は、タングステンカーバイドボールを使用して比較的大きな圧痕を残します。庄子の大きさを光学装置が読み取ります。

  • 粗いまたは不均質な粒子構造の大きな試料に最適な試験
  • 大型試料に最適
  • 構造要素が大きい鋳物や鍛造物に適している

硬さ試験の精度および再現性を確保するには

硬さ試験を適切に実施するには、高性能な試料作製と試験が重要です。ただし、基本を準備すれば、ほとんどの硬さ試験で優れた精度と再現性が実現できます。

硬さ試験に影響する要因

多くの要因が硬さの結果に影響します。原則として、硬さ試験の試験力が小さいほど、様々な要因が試験結果に影響を及ぼすため、精度の高い結果を得るためには高性能な制御が求められます。

硬さ試験で精度の高い結果を得るために、注意が必要な項目は以下です。
  • 光、汚れ、振動、温度、湿度などの外部要因は制御する必要がある
  • テスターおよびステージは固く水平な台に固定し、試料はホルダーまたはアンビルでクランプ/支える必要がある
  • 圧子は試験表面に対して垂直にする必要がある
  • ビッカーズ、ヌープ、ブリネル試験の際は、照明設定を一定に保つ必要がある
  • 圧子または対物レンズを交換したときは、試験機を常に再校正/確認する必要がある

品質管理を最適化する

硬さ試験力の定義

硬さ試験の試験力は正式にはニュートン(N)で表されています。以前はキログラム重(kgf)、グラム重(gf)またはポンド(p)で表されてきました。kgf、kp、Nの相関関係を次に示します。1.0 kgf = 1,000 gf = 1.0 kp = 9.81 N
  • 試験力が1 kgf以下の場合、「マイクロ硬さ試験まはた微小硬さ試験」と呼ばれます。
  • 1 kgf以上の場合は、「マクロ硬さ試験」が使用されます。

規格で許可されている場合は、最も大きな圧子に対して可能な限り高い試験力を使用して、最適な精度を確保します。

金属材料*に対する4つの硬さ試験方法で使用される試験力は、次の異なるISO、ASTM、JIS規格に準拠しています。

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硬さ試験の圧痕の間隔

圧痕の間隔

硬さ試験中の押込みは材料周囲を変形させ、その特性を変化させます。硬さの誤認識を防止するため、各規格では複数圧痕を打つ場合、その間隔が規定されています。

金属材料に対するビッカース硬さ試験の圧痕間隔の例

  • 鋼鉄・銅・銅合金の場合:圧痕の間隔は、少なくとも3倍の対角線長さが必要
  • 鉛、亜鉛、アルミニウム、スズの場合:圧痕の間隔は、少なくとも6倍の対角線長さが必要

硬さ試験のトラブルシューティング

問題

問題シナリオ 1:
硬さ試験の準備では、平行かつ平坦な表面を得ることが難しい場合があります。また、圧子は試験面に対して垂直でなければなりません。
ビッカース硬さ試験では、対角線の測定値の差が5.0%以内である必要があります。
ヌープ硬さ試験では、長辺対角線の両側の差が10.0%を超えてはなりません。
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もし偏差が材料の異方性によるものでない場合は、試料を固定して圧子が試験面に対して垂直に圧入されるようにする治具を使用するのが最善です。治具がない場合は、機械的な試料作製によって端面が平行で平坦になるようにしてください。
問題シナリオ 2:
試料表面が粗すぎる場合、特に自動機器を使用していると、圧痕の角を正確に評価することが難しくなることがあります。 試料作製時に生じたキズにより、自動硬さ試験では圧痕サイズの誤読が発生する可能性があります。
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研磨された表面を使用してください。表面の作製要件は、加えられる荷重と材料の硬さによって異なります。材料が柔らかいほど、より優れた研磨が必要です。適切な試料作製方法は、当社のメタログラムをご参照ください。
問題シナリオ 3:
試料が機械的作製後に適切に洗浄されていない場合、硬さ試験を光学的に読み取ると、圧痕の角を自動読み取り装置が誤認識する可能性があります。
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硬さ試験を行う前に、試料が適切に洗浄されていることを常に確認してください。研磨クロスに残った汚れや繊維などの異物が、読み取り結果に影響を与える可能性があります。
問題シナリオ 4:
強くエッチングされた試料では、圧痕の角が判別しにくくなり、硬さ試験の結果の精度が低下する可能性があります。
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表面の反射性が低下するため、エッチングは可能な限り避けるべきです。どうしてもエッチングが必要な場合は、圧痕の角が識別できるように軽く行うのが望ましいです。たとえば、溶接部の評価を行う際などには、エッチングが必要な場合もあります。
問題シナリオ 5:
測定された硬さが予想よりも高く表示される。
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対象となる硬さ試験における適切な圧痕間隔の規定を確認してください。圧痕が互いに近すぎると、加工硬化が発生する可能性があります。

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